江之浦で、著しく減少してしまったカジメの藻場を回復させようという釣り組の紹介です。
海水温の上昇傾向と、それに伴うアイゴの食害により減少していたカジメの藻場が、
昨年7月の「逆走代風」による大時化で大打撃を受けてしまいました。
現在、一部に回復が見られるものの、
消失してしまったところも多く、
この環境変化に漁業者は危機感を抱いています。
そこで、できることからやってみようと、潜り漁の野瀬君と、刺網漁の三谷君が立ち上がりました。
カジメの多い所から、親となる株を採って、ネットに入れ、
かつてカジメが繁茂していた所に沈めるという作業を行いました。
カジメは夏から秋にかけて、遊走子(胞子のようなもの)を放出して、
それが岩に付着し、芽を出して、生長します。(1988年今井利為・神水試研報第9号21)
実際、今日、採取した葉体には、子嚢斑がみられ、成熟が進んでいることがわかります。
ネットから出た遊走子が周囲の岩にうまくついてくれればいいのですが。
失われたものを回復させるということは、この温暖化の進行の中、簡単なことではないと思われます。
それでも、若い漁業者の自主的な取り組みの意義は大きく、
私もわずかばかりですが、力添えしたいと思います。