緑藻のミル(Codium fragile)水深数メートルの浅い岩礁域、
砂地に岩が出ているような所に多く生息するようです。
刺網では、多くの海藻と共にほとんど見向きもされず、
網からはずされると海へ戻されてしまいます。
今やその名も知らぬ漁業者が多いのではないでしょうか。
しかし、その姿形から「海松模様」、色は「海松色」が産まれ、
私たちの生活との関わりは深いです。
かつて、食用であり、加工されて貢物となるこの海松。
古人がどのようにみていたのか、
現在の扱われ方とのあまりの拡差に
私には想像もつきません。
「おぼつかな 今日は子の日か あまならば 海松(うみまつ)をだに 引かましものを」
(土佐日記)。
江之浦沖、水深15m、刺網。