ナマコに赤と青があるのはよく知られたことですが、
もうひとつ黒があります。
どれも同一種マナマコとされています。
江之浦の海岸線はほとんどが磯なので、
岩礁帯を好む赤ほぼ一色ですが、
ごく稀に黒がイセエビの刺網にかかってきます。
春に1個か2個、獲れない年もあります。
ほとんど赤しか獲れないこの地において、
黒に市場価値はなく、
見慣れた赤とはとても同一種と思えない体色ゆえか、
漁業者の食卓にのぼることさえありません。
しかし、大量にまとまって獲れる地域での評価は、異なるようです。
加工用に大きな需要があるようで、
安定した価格で取り引きされているとも聞きます。
全く見向きもしない「うっちゃりもの」と思っているのに、
そのような話を聞くとうらやましくもあります。