本の紹介です。
「海藻」2012年・神谷充伸・監修
海の生き物の中でも、一般向けの海藻図鑑は少ないのではないでしょうか。
ちょっと地味な印象もあり、
関心を持つ人が多くないのかもしれません。
しかし、ちょっと海藻について知りたいと思い、
種名をしらべようとすると、
これが、ちょっくらわからないのです。
まぁ、調べる人間があまりにもド素人だということもあるのですが、
分類上遠い種でも、図鑑の写真では、
ほとんど区別がつかないようなことが、よくあります。
この本は、葉体の標本のような写真とともに、
海中での生体の写真も多く、
また、解説も詳しくて、とても分かりやすくなっています。
種の判別に、大きな力を発揮してくれることと思います。
一定以上の光が必要な海藻は、
気候変動の影響を大きく受けると思われます。
現在も分布域の変動など、
種の消長が急速に進んでいる可能性もあり、
研究者だけでなく、多くの人が、海藻に関心を持つことにより、
わかることは多いのではないでしょうか。
海藻の世界の入門に、
とてもいい図鑑です。
誠文堂新光社より3000円+税