今日は小田原市漁協刺網部会の最も重要な事業、
ヒラメの種苗放流をおこないました。
栽培漁業協会、相模湾水産進行事業団、小田原市漁協とともに、
我々刺網漁業者も資金を出して、
ヒラメの稚魚を購入、市内の前浜に放流しました。
全国で多くの魚種の放流事業が行われていますが、
相模湾でのヒラメの放流効果には実績があり、
漁業者の水揚げにも寄与しています。
天然魚の資源量は年変動が大きく、
特に減少期には、安定的に獲れる放流魚に水揚げを頼る部分が大きくなります。
しかしながら、現在この種苗放流事業が、
今後も継続できるのか全く分からない事態になってしまいました。
放流の根幹となる種苗(稚魚)生産が、
予算の削減により出来なくなってしまうかもしれないのです。
受益者負担により、100パーセント漁業者の手によって放流をしろとの、
国の方針ですが、
年々ひどくなる魚価低迷下において、
漁業者にこれ以上の負担増は無理です。
受益者負担といいますが、ヒラメに限らず、
私たちの獲った魚が流通し、消費される中で、
どれだけの利益が生まれ、あるいは食文化の一角を担う上で
多くの人たちに喜んでもらっていると考えられますが、
いかがでしょうか。
また、放流に頼らざるをえない現状の海洋環境
(稚魚の育つ海面の減少や温暖化による水温の上昇など)が、
ほとんど漁業者の責任によるものなのかなど、
議論を深めてもらいたいと思います。
放流事業の問題点や限界なども含め、
皆さんに関心を持っていただければ幸いです。